#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
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握手会場はふたつの意味で沸いていた。
ひとつめの正規ルートの盛り上がりは、今日ここに来ている人達の目当てである行列の先にいる9人の美女に。
そしてもうひとつの非正規ルートといえば。
「マジで柊 美聖なんだけど。やば。顔ちっっさ」
「列の中でひとりだけ完全に浮いてる。握手される側じゃん」
「待って本当にいた美聖くん。えぐ。でもなんか可愛い。めっちゃ前しか見てない。」
「それ。息吹しか見えてないの草」
言わずもがな、柊 美聖である。
息吹の握手券を握りしめて、黒いキャップを深く被り、サングラスにマスクをつけているが、圧倒的な芸能人オーラが隠しきれていない。