#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化







美聖は弱々しく愚図る。息吹は、彼に抱きしめられたまま、少し思案するように黒目を斜め上へ動かす。


それから、突然、少し身を丸めお腹を押さえた。




「う、お腹痛い……」

「え!?息吹さん大丈夫ですか!?救急車!?AED!?」

「(最後のは腹痛レベルじゃないじゃん…)」

「息吹さん、横になりますか?動けます?」



美聖はすぐさま息吹の背中から離れて、彼女の前へと回り込む。


さりげなく息吹を椅子に座らせ、自分は床に膝をつく。


美聖が心配げに息吹の顔を覗き込むと、その先で交わった彼女の視線が楽しそうに緩む。



「美聖さんの顔見たら治りました」

「あ。」


そう言って息吹は、してやったりの笑みを浮かべていた。


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