#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化






列が動く度に、会場中に啜り泣きの声が増える。coc9tailの握手会を終えて、会場の出口へ向かう子達の多くが泣いていた。



今までもファンが本物の彼女たちに会って涙することはあった。


でも、今回だけは、その涙の意味が違う。

もう、これで最期なのだ。

その想いが涙となって零れ落ちる。



列を並びながら、そんなファンたちを横目に、美聖の涙腺も既に崩壊していた。




「ねえ待って、美聖くん泣いてない?」

「え?あっ、マジだ。え、やだあ、私も泣けてきちゃう……」

「もらい泣きなんだけど。」



美聖の涙が他のファンたちの涙を誘って、彼付近だけ、本物に会う前から泣いている。


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