#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化



木村は、気まずそうな顔で、美聖に言う。



「あの、息吹は何か言ってました?」

「え?」

「……今後の活動について、とか」



木村の表情から美聖はすぐに察する。

coc9tailのマネージャーでありながら、息吹について赤の他人の美聖にまで聞かなければならないのは、きっと彼女にとって勇気を伴うし、プライドに傷をつける。


それでも木村は、自分よりも息吹の為を思う。


美聖は柔らかく笑い、首を小さく横に振る。




「俺は息吹さんと友達になったばかりなので」




美聖の王子さながらの優しい笑みに、木村は惹き込まれる。


マネージャー業務をしていれば、美男美女を見るのは日常茶飯事で正直言えば、見慣れてしまう。


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