#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「私たちデビュー前から事務所のマンションで一緒に暮らしててね、2年目くらいまではシェアハウスみたいな感じで、さすがに今はひとりひとり別だけど」
「シェアハウス時代にメイさんが焼肉大会をして火災報知器が鳴り響いて大変だったっていう、シェアハウスですか」
「え?あはっ、そうそう、そんなこともあった!よく覚えてるね。っていうか、なんで知ってるの?」
「1周年記念ライブツアーのMCで優衣さんが話してくれたので」
「凄すぎ」
けらけら笑う瑞希は「懐かしいー」と目を細めた。美聖はその追憶するような瞳が、表情が、羨ましかった。
当事者と他人ではそのエピソードに対する温度はこんなにも違う。
「シェアハウスの名残で、同じマンションに暮らしてるとやっぱりみんなで集まっちゃうの。」
「いいですね」
「うん。だから、息吹の部屋が空っぽで、寂しくなる」
「……。」