#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化






「あの、これ、使ってください」



美聖の前に並んでいたファンが耐えきれず、美聖にポケットティッシュを渡す。


駅から会場に来るまでに貰ったであろうコンタクトレンズの広告入りのティッシュを美聖は有難く受け取る。




「ありがとう…」




涙を含んだその柔らかな声に、美聖周りがさらに涙腺を壊す。



coc9tailのファンは民度が高いと有名で、美聖が会場に現れても声をかけないのが暗黙のルールだ。


もちろん、全員が全員ではないので声をかけられることもあるが、基本は見て見ぬふりをしてくれる。


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