#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「ありがとう。さすがですね、女心がよくわかる美聖くん」
「え?」
美聖は言われた意味がわからないらしく、首を傾げている。当たり前のようにコートを女性に着させ、髪の毛までご丁寧に扱う。
息吹はコートの下から手を伸ばし、美聖の手首を掴む。
「監督から早めの休憩もらったの。撮影の時間押しちゃってるし、美聖くん、この後も忙しいでしょう?ご飯食べに行こう」
言いながら手首を掴んだ手を下へ滑らせていく。無防備に広がる美聖の手のひらに息吹の手を流れ込ませ、その手のひらを握る。
息吹よりも大きくて熱い美聖の手のひら。