#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化

美聖は冷めてしまったパスタから、そっと視線を持ち上げた。照れくさそうに笑いながら言う。




「俺がまた息吹さんと来たいんだ。だからせめて誘うぐらいの隙間を俺にくれないかな」




静かに黙り込んでいた息吹の表情が、美聖の甘い微笑みに、言葉に、そうっと溶けてゆく。



真っ白な雪が暖かな陽射しに溶かされて、雫を残しつつも色鮮やかな花がそこから現れるような。




「───ふふっ」



そんなふうに柔らかな微笑みをする息吹は、幸せそうだった。