#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
片平は、美聖が真剣そのもので口にした言葉が理解出来ず、顔の筋肉があちこち引き攣る。
そんな片平を見て、美聖は真顔のまま改めて告げる。
「俺の顔を、できれば頬あたりを、平手打ちしてくれないだろうか」
「(聞き間違いじゃなかった…)」
「できれば、2、3発景気よく」
「できるわけないでしょう!?美聖さん自分の顔が商品だって自覚してますか!?」
さすがの片平も呆れ返る。美聖が何を言い出すかと思えば、ムーンプロダクションの看板商品《国民の王子》に傷をつけろときた。
片平の仕事は美聖を管理し、売り出すことだ。磨きはすれど、傷をつけるなど言語道断。