#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「《最近、息吹さんとの幸せな時間が多すぎて怖いんだ……》」
「(こんな発言がなければの話だけれど)」
「coc9tailの年内解散があまりの衝撃で長い夢でも見てるんじゃないかと思うんだ」
はわわ、と両手を顔の前で震わせながら美聖が、片平を見上げる。
一縷の望みに縋るような、捨てられた子犬のような美聖の瞳に、片平は「うぐ」と唇を噛み締める。騙されるな。
「だから夢かどうか確かめるために、殴ってほしいというわけで」
片平は、美聖の魔法にかかるまいと自分の頬を殴る。そんな片平を見て「いたっ」と何故か美聖が声を上げる。