#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
当たり前のように女子より可愛い反応をする美聖を片平は見下ろす。
そして彼の衣装のポケットに忍ばせてあるであろうスマホ目掛けて指をさす。
「スマホの中の写真フォルダを見たらすぐに夢じゃないって自覚できるじゃないですか」
美聖が息吹と"お友達"になって実際にどれくらいの時間が経過したのか片平は知らないが、ここ数週間、明らかに美聖がスマホの画面を眺めていることが増えた。
そして或る日、片平はスケジュール帳から隣に座る美聖へ声をかけるために視線を横へ移した時。
『……息吹さんとアイス食べたんすか』
美聖のスマホの画面に映る美男美女とアイスを見つけ、つい、言葉が零れ落ちていた。