#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化





片平は、ぱたん、とスケジュール帳を閉じて隣の美聖を見つめる。

美聖も片平の眼差しの温度に気が付き、真っ直ぐと彼を見つめ返す。この男はこんな時でさえ美しい。




『美聖さんは人気俳優です。息吹さんは現トップアイドルで、こんな言い方はよくないですが、年内解散という爆弾を抱えていて、記者の格好の的です。』

『……うん』



世間一般のどれほどが、ふたりを応援しているかは数値では表せない。


それと等しく、美聖と息吹に本気の想いをしている者達がいるのも、また、数値では表せない。が、確実に存在している。



『正式に事務所に通せるような関係ではないのなら、先に記者に記事を抜かれるなんてことは、許されません』



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