#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化



片平がいくら個人的に彼らを応援しているとしても、ただの(・・・)マネージャーとして、言わなくてはいけないことがある。




『"ただの友達"で通用するのは、ふたりをよく知っている僕や事務所内でも限られた者だけだということを、忘れないでくださいね』




そして、息吹さんと次のステップにいけるよう頑張ってくださいね。という言葉は、片平の喉の奥で押し込まれた。ここから先は美聖のプライベートだ。



美聖は、真剣な片平の言葉にしっかりと頷く。それから、ふわ、と乾きたてのタオルから柔軟剤が香るような、暖かな笑みを零した。




『ありがとう、片平さん』




美聖の穏やかな声に、片平もようやく肩の力が抜けたのだ。



< 199 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop