#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「また頑張ろうって思えてたの」
真っ直ぐと美聖を見つめて息吹が言う。
「私は"あの日"、美聖くんを傷つけただけだったのに、それなのに、美聖くんはずっとずっと私のこと応援してくれた」
息吹は想いを込めるように小さく呼吸を置く。
瞬きの度にささやかに揺れる睫毛も、呼吸の度にかすかに動く唇も、伏せられていた瞳が持ち上がって美聖を見つめる芯の強い瞳の動きまでも、息吹の動作ひとつひとつに、美聖は目を逸らせない。
「ありがとう。ごめんね。」
少しだけ掠れたその声に、美聖の心が揺さぶられる。