#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「わかった?」
「いや全然」
首を傾げる友達に、私はある部分を指さして言う。
「ずーっと"黛 息吹様"とか"天使"とか"女神"呼びだったのに、2ヶ月前くらいからずっと"息吹さん"なんだよ。やばくない?」
「……えーまあ、うーん、やばいか?」
「やばいでしょ!」
「ええーそう?わからん」
「絶対なんかあったって」
私の名探偵ばりの洞察力も虚しく、友達は「いや特に意味なんてないっしょ」と笑いながらその話題を受け流す。
私はカフェに入ってもなお、ひとり、この美聖の変化を知りたくて堪らなかった。
だって、coc9tailの誰かが結婚するなんて噂が流れている今、息吹推しとしてはその相手が美聖であることを祈っているのだから。