#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化





悩んだ様子で唇を尖らせて眉間に皺を寄せる息吹が可愛すぎて、美聖の心臓が止まる。



「っう……!」

「え?」

「ご、ごめん少し心肺停止」

「え?」



美聖は停止した心臓を蘇生させるために胸に手を当ててセルフAEDをやる。目を閉じて深呼吸を繰り返し、ドンドンと胸を叩く。



練習室に美聖が自分の手で胸を叩く音だけが響くなかなかシュールが時間が過ぎ去り、なんとか生き返った美聖は目を開けて隣の息吹を見る。




「ごめん、生き返ってた」

「今死んでたの!?」

「うん。ちょっと息吹さんが可愛すぎて」

「……そっか、うん、ありがとう」



息吹は美聖のペースに呑まれていたことに我に返り、アイドルの笑顔でスルーをする。美聖のこういう時、まともに相手をしたらいけないと息吹はここ数ヶ月のお友達生活で学んだ。


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