#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化






「息吹さんと俺が結婚する可能性もあるかな?」





美聖の声がエントランスに響く。


思いのほか大きかった声に美聖も慌て、振り向いた息吹も目を見開いて驚いていた。


事務所にほぼ人がいない状態だしてもゼロなわけではない。美聖は咳払いして平静を取り戻そうとする。


そして前を歩いていた息吹の元までたどり着き、その愛おしい彼女の頬に指の甲で触れる。




「寂しいよ。凄く、本当に、めちゃくちゃ、言葉じゃ言い足りないほど息吹さんに会えない時間が寂しくて泣きたくなる」



溢れ出す言葉は幼稚で、言葉選びなんてできる余裕もなくて、それなのに次から次へと口からこぼれ落ちるものだから、収拾がつかなくなる。


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