#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化





息吹はといえば、美聖に全体重を預け、彼の肩口に顔を預けては、弱々しい声で呟く。




「おはよう」

「おはよう。目覚めた?」

「……最初から起きてるよ」

「そっか」



息吹の呟きに、美聖は思わず破顔する。抱き上げた時、瞼も開いてない状態の息吹を、美聖はしっかり見ている。それでも息吹は必ず一度は強がるのだ。




「木村さんが来る前に朝ごはん食べよう」

「…うん。ありがとう」



息吹と生活を共にして、美聖は日々新しい息吹の発見に頬は緩みっぱなしだ。


息吹が美聖にとって、女神で天使でお姫様でアイドルで高嶺の花であることは今も変わりない。それでも、毎日更新されていく素の息吹に、美聖の胸は常に初恋モードだった。



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