#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
故に、基本的に今日は家に帰る帰れないのやりとりが主になっていた。
片平に家まで送ってもらい、美聖はとろけそうな笑みでお礼を言うと急いでオートロックを抜けエレベーターに乗り込む。
そして若干の緊張を身体に纏いながら、家の玄関を開ける。
「ただいまー…」
恐る恐る小声で囁くと、リビングの扉が開き、そこからひょこっと息吹の小さな顔が現れた。
「ぐっっ」
美聖はその破壊力に胸を抑える。そんな美聖に息吹は笑いながら玄関までやってくる。ずっとSNSで追いかけていた息吹は睫毛一本までしっかりと決めて、美しい笑みで写真に収められていた。
そんな彼女は今、美聖の目の前ですっぴんのまま嬉しそうに微笑んで。
「美聖くん、おかえり!」
と、美聖を迎え入れた。