#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
美聖はあまりにも神々しい姿に膝から崩れ落ち、神に祈る人さながらに両手を顔の前に組み、息吹を見上げる。
「メシア……!」
「息吹です」
「救世主…女神…天使…姫…」
「アイドルです」
「素敵です」
「ありがとう」
2週間ぶりの破壊力たるや。美聖は撮影で疲れ切っていたものが、どっと安堵として溢れ出す。
撮影現場では常に気を張っていた。片平にさえも。そうして現場が上手く回るなら御の字だし、美聖は気遣いを苦に感じたことはない。
ただ、疲れるものは疲れるのだ。
「はあー……安心する」
憩いの場である家に、美聖の癒しの頂点である息吹がいる。だからこそ、今回の撮影も海外ロケもやり抜くことができたのだ。