#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化





「息吹さんご飯食べた?」

「ウィダー飲んだよ」

「……(心配過ぎる…)」



この間のMVの撮影で忙しくて食べる暇もないとメンバーも言っていた。息吹は特に本番前は食が細くなってしまうタイプらしく、ライブの時は一番体重が落ちてしまうらしい。




「息吹さん、温かい野菜スープあるよ。それなら食べれそう?」

「その前にお化粧とか落としたい」

「うん」

「けど動けない」




うう、と辛そうな息吹が瞼を持ち上げて隣の美聖を黒目だけで見る。細部まで美しく引かれたアイラインが息吹の綺麗な瞳を引き立たせる。




「美聖くん今手空いてる?」

「うん」

「私のメイク落としてくれる?」

「うん……うん?」

「やった。ありがとう。洗面所にメイク落としのシートがあります。よろしくお願いいたします」

「わ、わかりました!命にかえても」

「大袈裟だよ……」




でもありがとう、と粒いて再び息吹が目を閉じる。美聖は立ち上がると急いで洗面所に向かいメイクシートを手にしてリビングに戻る。


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