#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「え……? い、息吹さん……?」
「……。」
「切腹ですか?」
「──……罪状は?」
「目も合わせたくないほど俺の顔が不愉快です、とか……?」
今にも泣き出しそうな声で言う美聖に、息吹は顔は逸らしたまま、けれど、ぼそり、と呟く。
「どっちかっていうと美聖くんはかっこよすぎて切腹」
「わかった。今からお面買ってくる。息吹さんといる時は四六時中付けるからそれでいい?」
「いらないよ」
美聖のと本当に行動に移しかねない必死さに息吹が折れる。ようやく息吹の顔が美聖へと顔を向ける。ソファーの前で跪いていた美聖に、俯きがちな息吹の顔が見える。