#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「ずっと気にしないふりして平気なふりしてたのに、初めて生で美聖くんのキスシーン見たら、なんか、もう、」
上手く言葉にできないもどかしさに息吹は「もう、んもう!」と繰り返す。控えめに言ってめちゃくちゃ可愛いが美聖は表情に出ないようにするので必死だ。
そして、息吹は耐えきれなくなったようにテレビ画面を指さす。美聖がそれを追いかけた先、画面には以前共演した理々杏が映っていた。
《憧れはやっぱり柊さんですね》
《理々杏ちゃんきみ、なんでも柊 美聖だね》
《ですね。いやでもほんとにキラキラしてて伊達に国民の王子背負ってないなあ凄いなーって思います》
可愛らしい笑顔で言う理々杏の発言に、息吹は唇を噛み締めて泣きそうな顔になる。