#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化






「もう!美聖くんの人誑し!もうっ」

「えっ」

「今日の翠さんのは、演技じゃなかった…!彼女の気持ちが入ってた。きっと今までもそうやって美聖くんがキスとかされてたんだって気づいちゃったら、やだったの!」




黒真珠のような瞳を濡らして、拗ねたように必死で怒る息吹に、美聖は衝動的に抱きしめてキスをしてしまいそうになる。そんな自分の本能を必死で押さえつける。



すっぴんの息吹はやっぱり綺麗なのに、唇を尖らせて拗ねる顔は堪らなく可愛い。




「息吹さん」




美聖が名前を呼んでも、息吹はクッションに顔を埋めて動かない。美聖から見えるのは真っ白で滑らかな彼女の額だけだ。


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