#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
《柊さんは本当に優しいです。リアル王子様って感じで、》
画面から理々杏の明るい声が聞こえてくる。「もぉ…」と息吹の唸り声が聞こえてくる。美聖は思わず破顔してしまう。
「(優しくなんかない。王子様なんかじゃない。いじけてる息吹さんを可愛いと思ってにやけてしまうようなら卑しい男です俺は)」
そんな息吹の顔が見たい。美聖は、音もなく息吹へ近づき、クッションから飛び出た額に音を立ててキスをする。
「!」
あからさまに反応したが息吹はさらにクッションを抱きしめたまま動かない。美聖は息吹の顔を見るために、思案する。