#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
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「……うっ、ふ、う、…ぐすっ」
「美聖さん泣き過ぎです」
「だって、ッう、……うぐ、」
関係者席で息吹のグッズを見に纏った美聖は、ライブが始まる前だと言うのに嗚咽混じりで泣いていた。
息吹の厚意で片平の分もチケットが用意されていて、美聖の隣に座っている片平はうちわを手にしながら。
「マジで美聖さん勘弁してくださいよ。僕まで泣きそうになってきましたよ」
「…ごめ……ッぐす、涙止まんなくて……うう」
「美聖さあん…っ」
大の大人が嗚咽混じりで泣いている光景は傍から見たらまずいだろう。
関係者席は2階にあり、アリーナが見下ろせる。coc9tailのペンライトを光らせるファンや、全身を推しのカラーで決めるファン。