#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「女神の天に与えられし唯一無二の完璧なお顔がっ」
「久しぶりにぐっすり眠れた」
「それはよかった。目の腫れも引かせないと」
美聖が慌てて息吹にホットタオルを用意するそばで、息吹は2人分のコーヒーを淹れる。顔が商売なふたりでもこうも差があるのが面白い。
昨晩、息吹はひたすら美聖の胸の中で泣いた。今の今まで蓄積されていたものを全部洗い流すように、ずっと泣きじゃくっていた。
美聖は自分の涙は放ったらかしにして、息吹の白い頬に伝う涙を優しく拭い続けた。
ぐずぐずと泣く息吹があまりにも愛おしくて、止まない涙を拭い続ける無意味な行為でさえも、美聖は堪らなく嬉しく思えた。