#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
手を繋いでタクシーに乗り込み、タクシーの中でも隣の美聖にしがみついて泣く息吹の頭を優しく撫で続け、ふたりで美聖のマンションへと帰った。
そして互いに泣き疲れてすぐに眠ってしまったのだ。
「美聖くんブラックだよね?」
「うん。ありがとう」
ふたつのマグカップに注がれた珈琲のうちのひとつ、息吹の方に、砂糖とミルクが追加される。いつもブラックで飲む息吹の新しい一面に、美聖は思わず口を開く。
「今日は甘い気分?」
美聖の問いに、息吹は目元を赤くしたまま隣の美聖を見上げる。そのあどけない顔は、楽しそうだ。