#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「息吹は改めてグループとして最後の瞬間まで気を引き締めるように。美聖は今後もうちの看板として今回の記事に負けないよう活動するように」
「はい」
「記事についての取材は全て沈黙で貫くこと」
「はい」
代表は簡潔に言い切ると「以上」と美聖たちを部屋から追い出した。
「本当にすみませんでした」
美聖は部屋を出た瞬間、息吹や片平、木村に頭を下げる。息吹が慌てたように美聖へ近づこうして、その腕を木村が掴む。接触禁止。その言葉が息吹の脳裏に蘇る。
「息吹は活動を終えるまでうちで預かります。あとで必要な荷物を私が受け取りに行きますので、その時はご対応よろしくお願いします」
木村の言葉に、「わかりました」と返事をしたのは片平だった。美聖は下げた頭を上げることができない。