#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「(女神…!)」
美聖は名前を呼ぶことすらできずに、ひとりほろほろと泣く。息吹はファンサをしながら、外れたイヤモニをつけ直している。
そして息吹の視線が斜め下に落ちた時、美聖と視線が重なる。びくう、と身体を硬直させた美聖に、息吹は微笑みを崩さずに。
指でハートマークを作って、ウィンクをしながら愛嬌をした。
人生初のファンサに美聖の心臓は破裂した。胸を抑えて溢れそうになる血反吐に耐える。
「ッッッッ(本家の愛嬌レベチッ)」
美聖の近くにいた息吹推しがこぞって絶叫する。そう。そうなのだ。
息吹は決して美聖にだけファンサをしたわけじゃないのだ。