#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「coc9tailの解散理由は、SH/KIにも知らされてない。息吹も絶対に口を割らない。あいつは多分、一度成された約束は、解散まで、下手したら墓場まで持ってくようなやつだから」
周音は壁に寄りかかったまま、両腕を身体の前で組む。
向かいの壁を見つめた視線が、不意に濁りを見せた。
「ただ、噂は耳に流れ込んでくる。」
ふ、と嘲笑するかのように目を細めて笑う周音は、先程までインカメではしゃいでいた人物とは似ても似つかない。
美聖は、周音を役者として自分と同じ憑依型だと思い込んでいた。それはとんだ勘違いだ。