好きとか愛とか
どうやって出ていけばいいかも分からなくて、とりあえず様子を窺うべく隠れて覗き見することにした。
「もうこんな時間じゃん、帰ったんじゃない?」
「帰ってねぇ」
「彼女って特進でしょ?勉強ばっかでつまんないじゃぁん。うちらと遊んだ方が絶対楽しいってぇ」
大きめな胸を壱矢の腕に押し付けて、上目使いで腰をくねらせる。
こんなことをされたら、壱矢だってその気になってしまうんじゃないだろうか。
かわいい女子だし大きな胸だし。
そう思って壱矢を見てみるが、どういうわけか壱矢は全く無反応で腕に当たる胸の感触にも興味を示していない。
「行かねぇよ。先帰ったりしたら泣くくらいかわいいやつなんで」
だったらさっさとその腕振りほどいたらどう?
なんだか壱矢の態度にイライラする。
行かないとはっきり言うなら、態度にそれを示せばいいのに。
そんなだから、言い寄られることが減らないんだ。
だいたい泣くってなに。
そりゃこの前壱矢に泣いているところを見れたけれど、だからってそんなしょっちゅう泣いているわけじゃない。
「そんな泣き虫ならなおさらうちらとの方が気楽に楽しめるよー」
だいたい、あんたに泣き虫呼ばわりされる覚えもない。
見られた壱矢にならまだしも、今初めて顔を見ただけの人になんかバカにされてたまるか。
このまま壱矢がだらだらあしらうのを見ていたところでイライラするだけだと思い至った私は、後の事など考えず物陰から飛び出していた。
「いいえ、私と遊んだ方が絶対楽しいです」
壱矢と女子生徒の前で仁王立ちスタイルでもの申す。
他人のこんなことで口を挟むなんて初めてである。
少しでも舐められないように、腕組みして女子生徒に向き合った。
「その手、離してください」
「なぁんで?壱矢嫌がってないじゃん」
壱矢に絡めた腕をさらに巻き込み、体ごと押し付けるこの人は、絶対に私を挑発している。
「もうこんな時間じゃん、帰ったんじゃない?」
「帰ってねぇ」
「彼女って特進でしょ?勉強ばっかでつまんないじゃぁん。うちらと遊んだ方が絶対楽しいってぇ」
大きめな胸を壱矢の腕に押し付けて、上目使いで腰をくねらせる。
こんなことをされたら、壱矢だってその気になってしまうんじゃないだろうか。
かわいい女子だし大きな胸だし。
そう思って壱矢を見てみるが、どういうわけか壱矢は全く無反応で腕に当たる胸の感触にも興味を示していない。
「行かねぇよ。先帰ったりしたら泣くくらいかわいいやつなんで」
だったらさっさとその腕振りほどいたらどう?
なんだか壱矢の態度にイライラする。
行かないとはっきり言うなら、態度にそれを示せばいいのに。
そんなだから、言い寄られることが減らないんだ。
だいたい泣くってなに。
そりゃこの前壱矢に泣いているところを見れたけれど、だからってそんなしょっちゅう泣いているわけじゃない。
「そんな泣き虫ならなおさらうちらとの方が気楽に楽しめるよー」
だいたい、あんたに泣き虫呼ばわりされる覚えもない。
見られた壱矢にならまだしも、今初めて顔を見ただけの人になんかバカにされてたまるか。
このまま壱矢がだらだらあしらうのを見ていたところでイライラするだけだと思い至った私は、後の事など考えず物陰から飛び出していた。
「いいえ、私と遊んだ方が絶対楽しいです」
壱矢と女子生徒の前で仁王立ちスタイルでもの申す。
他人のこんなことで口を挟むなんて初めてである。
少しでも舐められないように、腕組みして女子生徒に向き合った。
「その手、離してください」
「なぁんで?壱矢嫌がってないじゃん」
壱矢に絡めた腕をさらに巻き込み、体ごと押し付けるこの人は、絶対に私を挑発している。