好きとか愛とか
愛羅はもうヘアアクセサリーを着けているので、あのかんざしが用意されることないと思っていたのに。
まさか…、
「ほら?どう?素敵じゃない??これ年期ものらしいよー?いけてるよねぇ。すっごい引き立ててくれてる感じがする」
「かんざしだけな」
愛羅の頭に刺さったそれを見て、絶望で目の前が暗くなっていくのを感じた。
あのかんざしをくれた母の笑顔と同じものが、今愛羅にも向けられている。
まさか、機嫌取り?
それを駄々をこねる
機嫌取りに大切なかんざしを持ち出して、アイテムとして使用したとしか思えなくて。
「冗談でしょ…、なんのつもりよ」
あまり残っていない自分の大切なものが踏みにじられた気がして、頭に血が昇った私は考えるより早く愛羅のもとへ駆けていた。
「返してっ」
「やだっ、なにするのよっ、いっちゃん!?」
愛羅の頭に襲いかかり、かんざしを引っこ抜く。
愛羅が傷つくかもしれない、怪我をさせるかもしれない、そんなことちっとも判断基準にはなっていなかった。
取り戻したい。
頭にあるのはそれだけだった。
無理矢理むしり取った私は、子供がやるようにかんざしを自分の後ろへ隠す。
「これはっ、これだけは絶対譲れないっ、やめてっ、使わないでっ」
「何なの壱っ!!」
呆気に取られた母が、理由や心情を省みること無く手近な怒りを私に向ける。
もう我慢なら無かった。
まさか…、
「ほら?どう?素敵じゃない??これ年期ものらしいよー?いけてるよねぇ。すっごい引き立ててくれてる感じがする」
「かんざしだけな」
愛羅の頭に刺さったそれを見て、絶望で目の前が暗くなっていくのを感じた。
あのかんざしをくれた母の笑顔と同じものが、今愛羅にも向けられている。
まさか、機嫌取り?
それを駄々をこねる
機嫌取りに大切なかんざしを持ち出して、アイテムとして使用したとしか思えなくて。
「冗談でしょ…、なんのつもりよ」
あまり残っていない自分の大切なものが踏みにじられた気がして、頭に血が昇った私は考えるより早く愛羅のもとへ駆けていた。
「返してっ」
「やだっ、なにするのよっ、いっちゃん!?」
愛羅の頭に襲いかかり、かんざしを引っこ抜く。
愛羅が傷つくかもしれない、怪我をさせるかもしれない、そんなことちっとも判断基準にはなっていなかった。
取り戻したい。
頭にあるのはそれだけだった。
無理矢理むしり取った私は、子供がやるようにかんざしを自分の後ろへ隠す。
「これはっ、これだけは絶対譲れないっ、やめてっ、使わないでっ」
「何なの壱っ!!」
呆気に取られた母が、理由や心情を省みること無く手近な怒りを私に向ける。
もう我慢なら無かった。