大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜


 困り顔の優介。

 あれだけビリビリに破いたら字は読めないから相手が誰かも分からないし、返事のしようがない。


 ふんっ、と鼻を鳴らした沙也加は不機嫌な表情で背中を見せ、自分の教室に戻っていった。

 優介も困り顔で廊下を歩いてく。


 私は小さい胸のことを言われてイライラしてたので、手紙をビリビリに破く様子を見て心の中がスッキリした。

 姉の私だけど、弟へのラブレターは良く思ってないからだ。

 こんな感じでいつも騒がしいけど、幼なじみのアノ子だけは憎めない。



 しかたないわね、少しだけなら……



 優介の側にいてもいいよ……






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