大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜


 冷たい反応をする私に対して、優介がイライラし始めた。


「俺だって!俺だってな……」


 椅子から立ち上がって威勢よく私に言ってきたけど、すぐにトーンダウン。

 小声になって言葉を詰まらせ、椅子に腰を下ろした。


「俺だって何よ!言いなさい優介!」


 姉という立ち場を利用して、上から目線で命令するように強く言ってしまう。

 細めた目で真顔の私は、視線を優介に向けたまま。

 ちいっ、と舌打ちしながら反抗的な態度の弟は、小声でつぶやいた。


「本当のことなんて言えねえだろ……」


 ブツブツ話してるけど、よく聞き取れない。


「もういいわよ!ハッキリしない年下男子なんて大嫌い!」


 イライラしてきた私も、立ち上がってキツく言い放つ。

 すぐに優介も大声を出した。


「どうすりゃいいだよ!俺と美優は姉弟なんだぜ!将来、結婚もできない関係なんだぞ!わかってんのかよ!」



 優介から現実を突きつけられて、私は愕然とする……



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