大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜
いままでのように、一軒家で過ごしながら学校に通うなんてできるのかな?
沙也香に冷たい視線で避けられるかも……
両親に知られてしまうのも、時間の問題かな。
家族として一緒に、父と母と弟と住むことを拒否されるかも……
「このことは俺と美優だけの話にしとこうぜ、俺は誰にも言うつもりないから」
私を気づかってくれてる。
でも、本心はどうなの……
心の中で、気持ち悪い姉と嘲笑ってるかも……
「もういいわよっ!」
私はその場を離れ、階段を上がって自分の部屋に飛び込んだ。
大きなバックパックに着替えを詰め込み、学校で必要な最低限の教材を揃えて手に持つ。
そして、制服姿のまま階段を駆け下りた。
「どこに行くんだ、外は日が暮れて暗いんだぜ!」
優介の言葉を無視して玄関に。
荷物を持った私は素早くローファーを履いて扉を開ける。
「まて、美優!俺だって本当は!」