大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜
6. ずっと好きだった


 翌年の三月末、高校を卒業した私は地元から離れる準備で忙しかった。


 音大の近くにあるマンションで一人暮らしが始まる予定。

 私も、春から女子大生としての生活が始まろうとしてる。


 コンクールの後、優介と会話をすることが少なくなった。

 必要最低限の用事など、お互いに気まずくて避けている状況。


 学校へ登校する時間帯を変え、食事も別々。

 同じ家に住んでるけど、顔を合わせない日だってある。


 沙也香は優介を気にして、私にあまり話しかけてこなくなった。


 まあ、当然の結果だと思う。


 血の繋がった弟に恋愛感情を抱き、愛の告白をした姉の末路。

 逃げるように離れて暮らすことで、時間が解決してくれることを祈るよ。


 ただ、この春から高校三年生になる優介が、この家で一人になってしまうのが気がかりで心配。



 でも、幼馴染みのアノ子が近所にいるから大丈夫。



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