大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜


 料理がテーブルに並べられ、私たちは食事を始めた。


「美優、あいかわらずだな」


 お皿の隅に海老をよける私の姿を見て父は言ってくるけど、克服できない苦手な食べ物は誰にだってある。

 私の行動を見た母も、海老をお皿の隅によけていた。


「おいおい、まるで親子みたいだな」


 私と母は甲殻類が苦手なので、家で食事をする時は父と優介に食べてもらう。

 まるで親子みたいだって父は笑うけど、母と私は血の繋がった親子だから苦手なものも一緒だって変じゃないよね。


 父の言葉を聞いて私は聞き流したけど、母はちょっと不機嫌な表情をしたのは気のせいかな。


「俺より年上の姉だけど、美優は子供っぽいよな」


「なにそれ!」


 優介に子供っぽいと言われて、私はムッとしてしまう。


「美優と優介、あいかわらず仲がいいのね」


 母が話した言葉を聞いて、視線を向ける私。



 そこに、母の笑顔は無かった……



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