大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜
「だったら、俺と美優は本当の姉弟じゃないってことだろっ!」
黙って話を聞いてた優介が突然キレて立ち上がり、大声で怒鳴るように言い放った。
「今まで黙ってて悪かったな……」
「優介、ごめんなさいね……」
父と母がすべてを認め、そろって謝る姿を見た私は……
嘘偽りない真実なのだと覚悟を決める。
優介は両親が今まで黙っていた事を許せない様子。
口は悪いけど、温厚で優しい優介が声を張り上げて怒鳴るように話す姿は始めて見るかもしれない。
「俺と美優に血の繋がりはなかったのか……くそっ……」
優介が吐き捨てるように言い放つと、急に立ち上がってレストランを飛び出して行く。
かける言葉もなく、私たちは寂しそうな背中を目にしてただけ。
「優介、怒ってたな」
「当然よね……」
両親は、しかたないといった表情でお互いに溜息を吐いてる。
「この町を出て一人暮らしをする前に、本当のことを教えてくれてありがとう……」
私の口から出た言葉が以外だったのか、両親は驚いた表情で見つめてくる。
「優介と私は、姉弟だけど血は繋がってなかったんだ……」