大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜
「いらないわよ!」
すぐに振り返って大声で叫んでしまった。
通学路を歩く学校生徒がクスクスと笑ってる。
私は周りの視線に気づいて、すぐに体を反転させ学校へ向かった。
「おはよう、矢島さん!」
「おはようございます」
生徒玄関でクラスメイトの女子生徒と顔を合わせたので挨拶をする。
その直後、よく言われる言葉が返ってきた。
「いつも思うけど、矢島さんて同級生にも礼儀正しくて見た目も清楚だよね」
「そうかしら?」
顔は笑顔だけど、心の中は憂鬱。
見た目とちがって、私の胸の内はモヤモヤして気分は良くない。
「あっ、今度のコンクール頑張ってね」
「ありがとう、できるだけやってみる」
クラスメイトの子から、不意に言われて私は我に返る。
「コンクールか……」