大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜


 血のつながった家族という呪縛から解き放たれ、優介は自分の思いを語ってる。


「優介……」


 私は涙を流しながら、ゆっくり静かに歩いて優介に近づく。

 人の気配を感じた優介も、ピアノを弾く手を止めて振り向いた。


 私の姿を見ると、すぐに立ち上がって力強く抱きしめてくる。


「俺、本当は美優のことが好きなんだ……」


「うん、知ってる……」


「告白されたとき、すごく嬉しかったけど……俺たち、姉と弟だろ……」


「そうだね……」


「ゆるされない恋だと思って……冷たい態度をとってゴメンな……」


「君は私より年下だけど、大人なんだね……」


 私は優介の背中に両手を回し、強く抱き締めた。

 涙が溢れ出て止まらない私の顔を見て、優介がもらい泣きしてる。


 お互いの頬を付け、薄暗い私の部屋で優介と抱き合いながら私は囁いた。



「優介、好きだよ……」



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