大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜
「俺も、美優のことを誰よりも愛してる……」
「うれしい……」
私の耳元で、大好きな君からの甘い言葉。
姉と弟の関係から解き放たれた私たちは、お互いの気持ちを確かめ合うように囁く。
幼少のころから過ごしてきた日常が、走馬燈のように頭の中を駆け巡る。
腕を組み、恋人のように楽しく過ごした放課後の制服デートを思い出して、また大粒の涙を流してしまう。
一方的な片思いが、両思いになった夜のことは一生忘れない。
でも、やっぱり世間から見れば私と君は姉と弟。
越えられない一線と大きな壁がある。
それでも私は、君の耳元で愛の言葉を囁いてしまう。
「大好きだよ、優介……」
後ろ髪を引かれる思いで、翌日の朝、私はこの町を旅立った……