sweet sweet chocolate

突然大きな声を出したわたしに、仲井君は更に目を丸くした。

「...っ、ご、ごめん。わたし、帰る」

気まずさを感じ勢いよくベッドから立ち上がったが、突然動いたからか目眩を起こしてしまい、足元がふらついた。

「っと!」

倒れかかったわたしを簡単に抱き止める仲井君。
子犬みたいに可愛い顔からは想像のつかない、力強さを感じる。

ぶわっと、顔が熱くなる。

「あ、ご、ごめ......」

「いや、かっる!香澄先輩、めちゃくちゃ軽いじゃん!」

わたしを抱きとめたままそう叫んで、ひょいっと軽々しく抱き上げた。

「ひやっ!!」

「飛んでいきそー!」

ハハッと笑い、そのまますとんとベッドの上にわたしを下ろす。

突然の出来事に、心臓のスピードが加速する。

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