俺のもの



しーん…


おい。
なんか言えよ。


藍羅は黙ったっきり喋らない。

「なんもないなら帰れ」

またしても冷たく言い放つ俺。


怒ったかな…?
藍羅も女だもんな…。

そう考えてると藍羅が口を開いた。


「あのねっっ!」
そういうと立ち上がってあぐらをかいている俺に抱き着いてきた。


はっ?!

いきなりの事で頭が真っ白になる。


「あたし………っ」

後ろから抱き着かれてるから藍羅の表情がわからない。


けれど………

きっと、切ない顔してると…思う。



「あたし、旭が…ッ」

駄目だ……
これ以上聞いたら……
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