俺はずっと片想いを続けるだけ**おまけ
それでふたりになったら、打ち明けてくれるん
じゃないかと思ったんだ。

言葉にしなくても、サインを送ってくれたら。
ここから君をさらって連れ出してやるから……
って、ね。


それでヒーローになったつもりで、つい
『グレイス嬢』なんて呼びかけちゃって。
旦那の前で、ふたりの結婚を認めてない、って
言いたかったんだ。


それがまずかったんだな、ヘタ打っちゃった。
グレイスの逆鱗に触れちゃった……

家名で呼んでください、だって。
旦那以外の男とはふたりきりで話さない、とも
言われて。


すごすごと帰るしかなかった俺。


あんなに怒っているグレイスを見たのは何年ぶりだろう。
俺達は初等部からの友人で、最初は女の子として見てなかった。

あいつ(グレイス) はとにかく足が速くて、運動に関しては桁違いだった。
ガキの頃なんて、足が速いだけで神だから。
男も女も皆、あいつを崇めてた。

遊びに掛ける熱量も凄くて、あいつが居ると最高で、居ない時はつまんなかった。

俺は早くからマセガキだったから、オトコ女の
グレイスをそんな目で見たことなかったのに、
あいつが怒っている姿を見て、惚れてしまったんだ。


あいつが……言うなれば、怒りの青い炎を纏った殺戮の天使に見えたんだ。


……恥ずかしながら、俺は時々ポエミー語るけど
見逃して?
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