俺はずっと片想いを続けるだけ**おまけ

中編②

結局、グレイスのことは諦めるしかなかった。

あんなにはっきり拒否されて、それでもがんばれる根性は……
俺にはない。

俺はひょろ夫の足元にも及ばない男だ。



グレイスとの思い出を辿ってみる。


初めて女の子だと意識したのは、10歳。
怒ったグレイスが格好良くて。

それまで仲良くしてたのは、決まって可愛らしい女の子ってタイプで、それが俺の好みなんだと、
10歳にして認識していたのに、ひっくり返されたんだ。


そうか、俺の好みど真ん中はこの格好いい
グレイス・リーヴァイスなんだ!って。


あいつの怒りの矛先は家庭科の教師だった。
投資に失敗して家が没落目前の女子が刺繍糸を
持参しなかった。
それだけで教師はキレて、ガキの俺らでも聞くに耐えない嫌味を言い続けた。

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