俺はずっと片想いを続けるだけ**おまけ

中編①

結局、本日の叫び声は王太子妃殿下お部屋近くの廊下で、
王太子殿下が端に控えた女官のドレスの裾を踏んづけて
(彼女は動いていないのに、どうやって踏んだのか、不明だ)

慌てた彼女がよろめいて、側のカーテンにしがみついたので
その重さ(彼女はなかなかの重量級の女性だ) で、カーテンのフックが次々と外れ、辺り一面は
カーテンの海となり(説明が長くなるなぁ)
当の女官がパニックになったのだ。


女官を助けようとした殿下を、それ以上の被害が及ぶことを恐れたルイスが止めたので、
本日の被害はカーテンのみで済んだ。


「マイナスにマイナスを足してもプラスにならないと、心配していましたが。
 意外と殿下とルイスは相性が良いかも知れないですね」


確かに、殿下の専用お見張り役にルイスが就任
してからは被害は減少していると、人事部長と
王宮警備担当の第1騎士隊隊長に説明された。


俺の言葉に2人は頷いた。
マイナスが2倍にならなかったことに、俺達は
手を取り合い、喜びを分かち合った。

この時の俺達3人は、確かにひとつだった……
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