彼氏がいるけど年下の男の子を好きになりました。

 私は隣の市に引っ越して転職した。看護師なので勤め先は割とどこにでもある。
 日々の心の癒しは、まだ少々不安定な私を心配して様子を見にきてくれる水上君だ。
 干支が一周するくらい歳が離れている少年に恋心を寄せるなんて馬鹿げていると思うのに、素直に好きだと思う。
 真面目で格好良くて、私なんかに構わなくてもいいだろうに、と常々思ってしまう。
 
「麻里香さん、好きです。俺来週高校を卒業します。結婚しましょう」
 
「昴君……。こんなに歳離れてるし……」 
 
「あなたがいいんです」
 
 吊り橋効果なのだろうか。
 引っ越してから一年くらい経ってから告白された。私はすごく嬉しかったが、大人として耐えた。
 毎日電話して毎週会ってきた。好きな人と一緒にいるのは幸せだし、私を好きだと思ってくれている人といるのもすごく幸せだと思う。
 
 私の方から、女を知らない無垢な高校生を誘惑して関係を結んだ。
 怖くなって逃げられてしまうかと思ったのに、昴君は「もう俺たち、結婚するしかありません。愛してます」と会う度に言ってくるようになった。
 その度に胸が幸せでいっぱいになる。
 
「ああんっ……、昴君に揉まれるとすごく感じちゃう……。だけど、もっと大きな胸の方がいいでしょ?」
 
「あなたの胸ならどんなでも一番いいです。誰よりも愛おしいです」
 
 そう言って股間を膨らませる昴君は、私の胸を揉みながら乳首を吸うのが大好きだ。
 普段は凛々しくて格好良いのに、そんな姿は可愛らしく見えてしまう。
 そう思いながらも快楽に溺れているのは私の方だろう。
 昴君に身も心も愛されてとても嬉しくなる。
 私は幸せだ。
 
「昴君、大好きだよ」
 
 素直な気持ちを言葉にして初めて伝えた。
 
「あ、ありがとうございます。俺も麻里香さんが大好きです!」
 
 この日の昴君はとても激しくてよかった。

 昴君は大学に進学する。きっと可愛い女の子とたくさん出会う。
 会社勤めを始めたら人間関係だって広がる。
 そして、私のことなんて面白みもなく若くない女だと気付くのだ。
 元彼と同じだ。
 男なんてそんなものだと思う気持ちと、昴君は違うと思う気持ちが交錯する。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop