【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)
「ありがとう。……私はここに来る前まで隣国? いいえ。サーティーアより西の端にあるファレーズ国生まれで、第一王子の婚約者でした」
「え、エルモが第一王子の婚約者……? 最初のころの話し方と、歩き方で貴族出身だとは思っていたけど……王子の婚約者だったのか」
驚き、コーヒーを一口飲んだグルの喉がゴクリとなる。
しかし、エルモの話し方と歩き方で、グルは私が元貴族だとわかっていたのか。
ーーふうっ。
ここから先の話はグルのお兄さんのグレちゃんを、裏切ったであろうリリアの話になる。
(グルさんにリリアの名前を出したらわかっちゃうよね。いまはリリアの名前を出さずに話そう)
エルモはグルに幼い頃から王子の婚約者に選ばれた話。学園に入学してからの話をした。
「王子と私は学園を出たら結婚するはずだったの。式の準備、話も進んでいたのだけど――学園で王子に好きな人ができてしまい、卒業式あとの舞踏会で王子に婚約破棄を言い渡された。……私の家は格式を重んじる公爵家だから、家からも追い出されて。相乗り馬車を乗り継ぎ国境を越え、トランクケース一つでサーティーア国まで来たの」
「そっか、エルモはファーレズから馬車の最終地点サーティーアまでやってきて。俺の家で俺のベッドに寝ていたのか」
――え、グルさんのベッドに寝ていた!
グルは王子の話はどうでもよかったのか。クッククと、私との出会いを思いだして、思い出し笑いをした。
「あ、あれは! 地主のおばちゃんにこの家が空いているって、幽霊屋敷だって聞いたの! 学園の頃――散々な目にあったから幽霊くらい怖くないって思って決めた。そしたら……グルさんの家だったというわけよ」
「フフ、そうだったね。エルモは可愛いネグリジェ着ていた」
「!」
ネグリジェの話題にあのときの自分の姿と、グルの裸を思い出して、エルモは顔を一瞬に熱がこもり真っ赤になる。
グルは焦るエルモの姿を楽しげに見ていた。
「まあ、エルモとは辛い目にあったけど、俺はその王子に感謝だな。可愛いエルモを俺の元にこさせてくれた――俺はエルモを手放さないし、大切にするよ」
「うれしい。私だって、グルさんを大切にするわ」
「え、エルモが第一王子の婚約者……? 最初のころの話し方と、歩き方で貴族出身だとは思っていたけど……王子の婚約者だったのか」
驚き、コーヒーを一口飲んだグルの喉がゴクリとなる。
しかし、エルモの話し方と歩き方で、グルは私が元貴族だとわかっていたのか。
ーーふうっ。
ここから先の話はグルのお兄さんのグレちゃんを、裏切ったであろうリリアの話になる。
(グルさんにリリアの名前を出したらわかっちゃうよね。いまはリリアの名前を出さずに話そう)
エルモはグルに幼い頃から王子の婚約者に選ばれた話。学園に入学してからの話をした。
「王子と私は学園を出たら結婚するはずだったの。式の準備、話も進んでいたのだけど――学園で王子に好きな人ができてしまい、卒業式あとの舞踏会で王子に婚約破棄を言い渡された。……私の家は格式を重んじる公爵家だから、家からも追い出されて。相乗り馬車を乗り継ぎ国境を越え、トランクケース一つでサーティーア国まで来たの」
「そっか、エルモはファーレズから馬車の最終地点サーティーアまでやってきて。俺の家で俺のベッドに寝ていたのか」
――え、グルさんのベッドに寝ていた!
グルは王子の話はどうでもよかったのか。クッククと、私との出会いを思いだして、思い出し笑いをした。
「あ、あれは! 地主のおばちゃんにこの家が空いているって、幽霊屋敷だって聞いたの! 学園の頃――散々な目にあったから幽霊くらい怖くないって思って決めた。そしたら……グルさんの家だったというわけよ」
「フフ、そうだったね。エルモは可愛いネグリジェ着ていた」
「!」
ネグリジェの話題にあのときの自分の姿と、グルの裸を思い出して、エルモは顔を一瞬に熱がこもり真っ赤になる。
グルは焦るエルモの姿を楽しげに見ていた。
「まあ、エルモとは辛い目にあったけど、俺はその王子に感謝だな。可愛いエルモを俺の元にこさせてくれた――俺はエルモを手放さないし、大切にするよ」
「うれしい。私だって、グルさんを大切にするわ」