【コミカライズ配信中】婚約破棄したお馬鹿な王子はほっといて、悪役令嬢は精霊の森で幸せになります。(連載版)

三十七

 夕飯のときに呼んだ、火の精霊たちはエルモが大精霊様に好かれたという――その火の精霊たちにグルは聞いた。

「エルモが大精霊様に好かれたのか?……ん、それって、大精霊シルワ様が森に戻ってきているのか?」

 精霊たちはクスクス笑い、グルの周りを飛びまわり。

「うん。白ちゃんのがんばりと、フェリチタの木に花が咲いてから、精霊の森に戻ってきているよ」

「でも、まだ姿はみせないって」

「そう、見せないって、シルワ様はいっていたよ!」
 
 精霊達の話に"そうか"とグルは頷き。

「二度とこの森には戻らない! といっていたシルワ様が森に戻ってきているのか……マジか、あーよかった。村の人達も喜ぶよ」

 グルの喜ぶ姿にエルモも嬉しくて。

「グルさん、よかったね。フェリチタの木に花が咲きほこり、大精霊様が森に戻ってきた……とても素敵だね!」

「ほんと、よかった」
「よかったね」
「よかった、よかった」

「ああ、本当によかった!」

(グルさんがこんなに喜ぶのだもの。おばちゃん、村のみんなが聞いたら大喜びかも。でも、火の精霊ちゃん達がいう、私が大精霊様に好かれたといわれてもピンとはこないかな?)
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